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今月読んだ本with今年からのツン読(いのはち)

 今月読んだ本とそのコメント

200708311夜は短し歩けよ乙女
 森見登美彦氏が描く青春の片想いストーリー。京都の町の中でサークルの後輩に恋焦がれる主人公の先輩がひたすら彼女の姿を追い求める。
 「太陽の塔」に心打たれて森見登美彦氏のこの本を読んでみた。男の悲哀がポップでキッチュに書かれていてなんとも面白かった。どこか屈折しているがここまで男子をストレートに表現した本は読んだことがなかった。そして、風が吹いたら桶屋が儲かるようなストーリー展開がまた心をつかまれる。

 この男心は女にわかるまいと思ってしまう男子必携の一冊。


200708313年中行事覚書
 民俗学の祖・柳田國男氏の著書。昭和30年にかかれたもの。
 前書きには『季節がくれば行われる年中行事。毎年くりかえしただけでは意味がない。そしてこれからどうあろうとしているのかを考えるため、なぜ行うべきか、どのような年中行事があるのかを記録する。』とある。すでに50年前に年中行事は形式化の憂き目にあると感じられていたようだ。事実、いまの年中行事はコンビニの季節の販促製品のためにあるかのような存在に感じる。もちろん、ライフスタイルの移り変わりも大きな一因ではある。

 なぜ年中行事を行うのか、またどのような年中行事があるのか、当時の視点で細かくかかれていて面白い。
 もっとも興味深かったのは旧暦の影響が強く感じられたこと。年中行事というならば、季節ごとの必然性により行われており、当然旧暦を基準とされていた、もしくは旧暦の伝統を残したものが多々ある。明治6年より新暦が採用されているが、昭和30年まで色濃く残っているようだ。


200708312坂の上の雲〈7〉
 奉天会戦の火蓋が落とされる。日本にとっては陸軍の総力戦となった戦い。戦力は圧倒的にロシア軍に分があり、旅順は陥落後の傷がいえないままの戦いとなる。日本の運命を決める戦いの火蓋がきって落とされる。
 また、バルチック艦隊は、ロシアからの旅も終わり、長い旅路から開戦へと船を進める。

 時代の流れ、国や人の動きが戦争の結果を紡ぎだしていく。
 勝利へ近づいていく日本の姿には、江戸・幕末期に培われてきた日本人の姿勢が感じとれる。が、同じくらい偶然や運命で物事の趨勢が決定される運命のイタズラのような背景もみせてくれるのが面白い。
 次巻で終わり、長かった日露戦争と読書もとうとう完結する。


200708314岸和田だんじり讀本
 毎年9月中旬に行われる大阪市泉州地区の秋祭り・だんじり祭。
 勇壮、豪快で知られるだんじり祭の中の人が書いた岸和田だんじり祭についての一冊。

 祭の当事者が取材と執筆を行っており、岸和田だんじり祭について、だんじりの組織、祭のあり方、だんじりの彫刻そして彫り師まで幅広く解説されている。また、各町の紹介についても細かく書かれている。
 観光とは違う、祭の視点で書かれた1冊は、祭や地域に対する情熱と愛がひしひしと伝わってくる。

 祭とは、年間を通して行われる様々な地域行事の一つであり、地域のその年の始まりと終わりが凝縮された日が祭だと思っている。そして、この本の中にあるのは、だんじりとは何かではなく祭りとは何か、地域とは何かということ。

 あと半月ほどで行われるだんじり祭。数年前から9月の連休に開催日が変更になったらしい。今年行ってみようかな?


で、とりあえず積んでおく本。

道をひらく
逆立ち日本論
幸福な食卓
マチウ書試論・転向論
ZOKUDAM
見えないドアと鶴の空
坂の上の雲〈8〉
四畳半神話大系
言い寄る


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