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今月読んだ本with今年からのツン読(2008年8月)

 今月読んだ本とそのコメント。独断と偏見の5点満点で評価します。


200808311アルケミスト―夢を旅した少年
 羊飼いの少年サンチャゴは、アンダルシアの平原からエジプトのピラミッドに向けて旅に出た。そこに、彼を待つ宝物が隠されているという夢を信じて。少年は、錬金術師の導きと旅のさまざまな出会いと別れのなかで、人生の知恵を学んで行く。

 おとぎ話のような話がつまった冒険譚であり、成功譚。読みようによっては『Good Luck』や『ザ・シークレット』自己啓発書のようでもある。欲しいものは意外と近くにあるもの、後は自分しだいってことか。 
★★★★☆


200808312覘き小平次
 一日中、押入れ棚に引きこもり、わずかの隙間から世間を覗く、売れない役者、小平次。友人で囃子方の安達多九郎の誘いで、狂言怪談の幽霊役の依頼をうける。一座とともに奥州へと向かう小平次。しかしその興行の裏には、ある仕掛けが施されていた…。

 お岩さんを描いた『嗤う伊右衛門』などに続く古典怪談のリメイク小説。妬み、恨み、愛などなど登場人物たちに絡み合う様々な縁を心理描写で細かく描いてある。久しぶりの京極ワールド、いつ読んでも驚き楽しませてくれる。ミステリのような味わいもあり、でも『嗤う伊右衛門』と同じようにテーマは理解しがたい愛の形にあるのかもしれない。
★★★★☆


200808313不機嫌な職場~なぜ社員同士で協力できないのか
 職場の中がなぜかギスギスしているのか、社員どうしがなぜ助け合えないのか?そんな会社が陥っている状況を解析して、その解決策を紹介してくれるのが本書。

 助け合いが少なかったり、愚痴が不満がぽろぽろと出てくる場面はよく目にするようになった。なぜか?一つは成果主義の導入により、個人の力は向上したが、チームとしての力が低下したこと。仕事の専門化が進み、各人が把握する領域が狭く深くなってしまったこと。などなど、確かに今の職場にてらしてもなるほどと思うこともある。また、個人的には急激な社会的な変化や価値観の変化にも一因があると思う。
 このような問題点に対しては、Googleなどの企業を例に解決策を提示している。それは福祉的な面であったり、社員みずからがアイデアを創出し動く仕組みづくりだったりする。そのまま仕組みとして取り入れることは難しいかもしれないが考える種にはなりそう。
★★★★☆


200808314ひとびとの跫音〈上〉
 司馬遼太郎が近代日本を描いた『坂の上の雲』のスピンオフともいえる小説。
 『坂の上の雲』に登場した人物たちの親族を描いており、後日譚のような位置づけとなっている。『坂の上の雲』を執筆するにあたり、主人公として登場した秋山好古、秋山真之、正岡子規の三名の親族に挨拶のために一席をもうけた話などもある。特に子規の妹の律、養子の正岡忠三郎など、子規に関連する方々の描写が多かった。

 個人的には、偉人の子孫・親戚と言えどいわば普通の人なわけで、あまりぴんとこなかった。むしろ、このように掘り下げて執筆することができる司馬遼太郎氏をすごいと思った一冊でした。
★★☆☆☆


200808315旧暦はくらしの羅針盤
 暦は近年こそ太陽暦ですが江戸期までは太陰暦、くらしもそれに見合った言葉と行動様式があって、今もそれは残っている、そんなこんなを簡略に案内した本。

 現在は使われなくなった旧暦。しかし、大安や仏滅また24節季などニュースやくらしではまだまだ息づいている。旧暦がつくられた経緯から日本の季節とその風土にあわせて、生活や仕事をいかに行っていけばよいかが記載されている。
★★★★☆

で、とりあえず積んでおく本。

道をひらく
ZOKUDAM
岸和田だんじり祭りによるまちづくり―文化と伝統景観を生かして
街場の中国論
日本数寄(ちくま学芸文庫)
幸福論 (第1部) (岩波文庫)
カンガルー・ノート (新潮文庫)
ひとびとの跫音〈下〉 (中公文庫)
最後の授業 ぼくの命があるうちに DVD付き版
イルカと、海へ還る日 (講談社文庫 ま 59-1)
をんな紋―あふれやまぬ川 (角川文庫)
もしも、私があなただったら (光文社文庫)
日本という方法―おもかげ・うつろいの文化 (NHKブックス)
女人囃子がきこえる
私の個人主義 (講談社学術文庫)
美女と竹林
探偵ガリレオ (文春文庫)
「世間」とは何か (講談社現代新書)
?(Question)こそが人生の答え
祭りのゆくえ―都市祝祭新論

ブクログ→
こんな本を読んでいる。

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